ICP-MS分析、水銀分析の前処理に最適

酸循環分解システム エコプレ


エコプレシステムの使い方


エコプレベッセルの特長

エコプレベッセルは、試料分解中の揮発性元素を回収しながら試薬を容ベッセル内で循環利用し、損失やコンタミネーションを防止する高純度PFA容器です。

従来のビーカーによる分解方法では、試薬が気化排出されるため、絶えず試薬を補充する必要がありますが、このエコプレベッセルは、一度の試薬注入だけで分解を完了することが可能です。

さらに、揮発性元素の揮発を抑制する内部の捕集容器(PFAコンデンサー)の効果により、高い再現性を得ることが可能です。

試料の分解は同時に最大24個まで可能です。(エコプレベッセル100mLの場合)



エコプレベッセルのしくみ

分解容器(下部)と上部に接続する開放型捕集容器から構成されます。

捕集容器の内部に取り付けられた捕集管により揮発性元素や蒸発した酸を捕集します。(特許取得)

材質は高純度PFA製を採用しているため、試料のコンタミ、容器のコンタミリスクは軽減されます。

容器内で酸循環をさせるためには温度管理が必要となります。専用の温度コントローラーで温度と時間の管理をすることで効率よく酸循環を行うため、乾固する心配がなく、安心して分解ができます。

(*注)サンプルの種類により加熱条件は異なります。お問い合わせ下さい。 



捕集容器のしくみ

エコプレベッセル上部の捕集容器(冷却コンデンサーの役割)は、分解中の揮発元素損失を防ぎ、反応に必要な試薬の蒸発を抑制します。

これにより分解試薬が還流するため、試薬の継ぎ足し作業は必要なく、手間の掛からない効率的な分解が可能になりました。

安全面・コスト面でも、気化した酸を凝縮循環して有毒ガス排出を抑制する構造になっているため、環境に優しくオペレーターの保護につながります。また、分解時に使用する酸の量を大幅に節減でき、実験室のドラフト設備に与えるダメージも抑えることが可能になります。



グラファイトホットプレートの特長

グラファイトホットプレートは、グラファイト製の加熱部とエコプレベッセルを差し込むブロックの二重構造になっています。このシステムは、グラファイト特有の高い熱伝導性を生かし、エコプレベッセルの底部と周囲を加熱することにより、底部だけを加熱する従来のホットプレート型に比べ分解時間を短縮することが可能です。合わせて、均一な加熱を行うことにより急反応や突沸を防ぐこともできます。

グラファイトブロックには、フッ素樹脂コーティングを施し、酸による腐食防止や微量分析時のコンタミを防止します。

・フッ素樹脂コーティングで腐食防止

・グラファイトブロックは15Holes,24Holesなど

(特注も可能)

・ホットプレートのみ、グラファイトブロックのみも販売可能

・温度設定範囲 室温から220℃ 

・温度精度 ±5℃ (220℃)

・セパレート型温度コントローラー

・寸法:W400×D300×H135mm(OD-002Tの場合)

・電源:AC200V 1.8kw(OD-00T2の場合)



タッチスクリーンコントローラーの特長

記憶するコントローラー

大型タッチスクリーンコントローラーは、いつも使用する分解条件を登録することができます。

操作はスクリーンをタッチするだけ。誰でも簡単に作成できます。

温度設定は1℃単位、時間設定は1分単位で設定が可能です。

任意でサンプル重量や試薬の種類、試薬量の登録もできます。

納品時にはサンプルデモ分解時に使用した加熱条件を設定してお渡しするため、納品したその日から使用することができます。

 



作業指示書も自動で作成

分解が終わったら、使用した条件と1分ごとの加熱状況をUSBメモリーにエクスポートすることができます。データはExcel形式で出力されます。

 

出力した分解条件を作業指示書にすることで、前処理のノウハウが蓄積され、誰もが同じように作業することができます。

 



エコプレ ラインナップ例

食品・環境試料、水銀分析の前処理に最適

スタンダードタイプ

日々繰り返される様々なサンプルを同時分解するシステムです

A4サイズのホットプレートでコンパクトに分解が可能

容器容量は100mL

<15本セット>

分解容器:エコプレベッセル100 15本

加熱装置:グラファイトホットプレート001 &ブロック15Holes

コントロール:タッチスクリーンコントローラー

 

<24本セット>

分解容器:エコプレベッセル100 24本

加熱装置:グラファイトホットプレート002 &ブロック24Holes

コントロール:タッチスクリーンコントローラー



反応性の高いサンプルや液体サンプルに最適

大容量タイプ

水銀分析の前処理や発泡・突沸しやすい油分・糖分を多く含むサンプル、サンプル量の多い試験に対応するシステムです。

容器容量は300mL

<8本セット>

分解容器:エコプレベッセル300 8本

加熱装置:グラファイトホットプレート001&ブロック8Holes

コントロール:タッチスクリーンコントローラー

 

<20本セット>

分解容器:エコプレベッセル300 20本

加熱装置:グラファイトホットプレート002 &ブロック20Holes

コントロール:タッチスクリーンコントローラー



生体試料・希少サンプルの分解に最適

希少サンプルや生体試料など微量サンプルを少ない試薬量で分解する試験に対応するシステムです。容器容量は15mL、30mLの選択ができます。

<セット内容>

分解容器:エコプレベッセル15 or 30 48本

加熱装置:グラファイトホットプレート002 &ブロック48Holes

コントロール:タッチスクリーンコントローラー



その他にも様々な組み合わせができます。詳しくはお問い合わせください。

エコプレは、高純度PFA容器を使用しているため分解の用途以外に抽出や保存容器としての実績もあります。

たとえば…

・還流分解システム

・溶媒抽出装置

・樹脂成分GC/LC-MS分析前処理装置

・残留農薬前処理装置

・微量元素測定用ホットプレート

・温度/時間設定コントロール付きホットプレート

として…


上記の仕様以外でも出来ることはたくさんあるかと思います。

「こんなことできる?」「一度デモさせてほしいんだけど」など、ご要望がございましたらお気軽にご連絡ください。


よくある質問

Q:これまでの導入実績を教えてください

A:分析受託機関、企業の研究開発部門、大学農学部、放射能汚染物質の除去を行う機関、官公庁と多くのお客様にのべ500社以上に導入頂いている前処理装置です。

Q:サンプル試験に必要なものをおしえてください

A:デモ機をお持ちして貴社環境にて試験をします。200V単相20A以上の電源とプラグ、ドラフト、コントローラーを乗せる台をご用意ください。試薬などはいつもご使用のものをご準備ください。設置案内をご用意しております。

Q:分解作業をしたことがありません。最初からサポートしてもらえますか?

A:デモ分解でご訪問する際に一緒に作業をしますのでご安心ください。サンプリングから試薬分注時の初期反応が見込まれるサンプルなど、気を付けるポイントをお伝えしながらサポートします。

Q:エコプレの消耗品について教えてください

A:PFA製エコプレベッセルが消耗品になります。加熱温度、使用する試薬よって異なりますが、3~4年程度で容器内部白化、壁面の毛羽立ち、剥離や突起物が出てくる場合があります。コンタミリスクが高まり分析値への影響する場合はパーツ交換をおすすめします。不要になった容器各自治体の指示に従って処分してください

Q:貸出期間で検討が終わりませんでした。延長してもらえますか?

A:延長の場合は1週間につき3万円を申し受けます。全国で多くのお客様がお待ちいただいているためご理解いただけますと幸いです。